にしあらい駅前皮膚科

代表的な皮膚科疾患について

アトピー性皮膚炎

スキンケアや、主に外用薬による治療を行います。
掻痒の程度や皮疹の重症度に応じて、内服薬やエキシマライト光線療法 (紫外線照射治療)を追加し、血液検査での病勢評価等を行います。
重症の場合は、デュピクセントやイブグリース、ミチーガなど生物学的製剤や、基幹病院への紹介を検討します。 

蕁麻疹(じんましん)

 全身に痒みを伴う赤い発疹やミミズ腫れのような発疹が出現します。多くは原因不明とされていますが、原因が特定できる場合は原因の除去を行います。抗ヒスタミン薬などの内服薬による加療を行います。
   難治の場合はオマリズマブ(ゾレア®)など生物学的製剤の注射を行うことがあります。ゾレア®(一般名:オマリズマブ)は、「抗IgE抗体」と呼ばれる薬剤です。「IgE」とは、免疫にかかわる蛋白質の一種です。蕁麻疹の発症機序の一つとして、血液中のIgEなどが体内のマスト細胞を活性化することで、ヒスタミンなどの炎症を起こす物質が放出されてアレルギー症状が誘発されることが考えられています。ゾレアはIgEとマスト細胞の結合を阻害し、アレルギー症状を軽減させます。
 
   既存治療で十分な治療効果が得られない特発性の慢性蕁麻疹の方を対象とした第Ⅲ相国際共同検証試験では、12週間におよぶ抗ヒスタミン薬とゾレアの併用治療後、87.7%の方で掻痒スコアがベースラインから5以上の低下がみられました。また、皮疹と掻痒のスコアであるUAS7(Urticaria Activity Score7)が6以下の割合が57.5%、0の割合が35.6%という結果になりました。87.7%の方で痒みが改善し、57.5%の方で痒みや膨疹がかなり落ち着き、35.6%の方で痒みや膨疹が全くなくなったということです。もともと難治性の方たちにおける治験でのデータですので、かなりの有効性が示されたと思います。
 しかし、ゾレア®は蕁麻疹を完治させる薬ではありません。投与後に症状の改善がみられても、治療をやめてしまうとしばらくして徐々に再燃してきてしまうことがあります。ゾレア®は既存の治療薬を使っても抑えきれない症状をコントロールして、ストレスなく日常生活を送れるようにサポートする薬です。
用法・容量
ゾレア®を特発性の慢性蕁麻疹に使用する場合は、通常1回300mgペンを皮下に注射します。注射は4週間隔で合計3回投与し、その後の状態を見て投与を継続するか中止するかを決定します。
適応患者
ゾレア®は喘息や鼻炎にも適応がありますが、当院では「既存治療で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹」に対してのみゾレア®の投与を行っています。なお鼻炎や喘息を合併していても、難治性の慢性特発性蕁麻疹があればゾレア®の加療は行えますので、お悩みの際は医師にご相談ください。
 また、ゾレア®は高額な薬剤でもあり、希望されるすべての方が投与を受けられるわけではありません。まずは当院を受診し、医師の診察・問診を受けてから実際に投与可能かどうかを決定させていただきます。なお、治療対象となるのは以下の条件をすべて満たす方です。
・抗ヒスタミン薬の内服など、今までの治療で効果が不十分だった
・12歳以上である
・蕁麻疹の原因が不明
・ゾレア®に対する過敏症の既往がない
*条件を満たす場合でも、妊娠中および授乳中の方はあらかじめご相談ください。
自己注射について
当院にて自己注射指導を受けていただいた方には最大3本(3か月分として)まで処方し、自宅で自己注射することもできます。
 
ゾレア®使用時の注意点
非常に稀ですが、アナフィラキシーという重度のアレルギー症状が出る場合があります。

ゾレア®の薬価について
1回につき1本39329円(300mg/2mLペン)を4週間間隔で投与する薬ですので、3割負担の場合、一月あたりの自己負担額が11799円となります(別途、診察料などがかかります)。


にきび(尋常性ざ瘡)

 毛穴のつまり・細菌感染によって、顔を中心に丘疹や膿が生じる状態をいいます。
 ニキビの状態に応じて、抗生物質の塗り薬、角質を調整するローションやゲル、抗菌薬や漢方薬などの内服薬を処方します。食事内容や生活リズム、スキンケアを見直します。
 肌への刺激や妊娠・授乳等で保険診療の塗り薬が使用できない場合は、アゼライン酸(塗り薬)を処方します。
 また、重症ざ瘡で適応があればイソトレチノイン(アクネトール®)の飲み薬を処方します。
 ノンコメドジェニックテスト済みのスキンケア用品を数種類取り扱っており、症状に合わせてご案内しています。
ピーリング系の塗り薬が合わない方、妊娠授乳中の方もお使いいただけます。
イソトレチノインは、重症ニキビや難治性のニキビ治療に対して用いられるビタミンA誘導体の内服薬です。皮脂の分泌を強力に抑え、毛穴の詰まりを改善する効果があります。日本では厚生労働省未承認の薬のため、自費診療となります。

円形脱毛症/脂漏性皮膚炎(フケ症)

円形脱毛症は毛髪に対する自己免疫が原因で生じます。外用薬、内服薬、光線療法、ステロイド局所注射療法などを行います。また、必要に応じて血液検査も行います。
フケ症の多くは脂漏性皮膚炎という病気で、油っぽい肌の方に好発します。外用薬で加療します。症状に応じフケ症用のシャンプーもおすすめしています。

水虫/掌蹠膿疱症

水虫は白癬菌というカビの感染症です。皮がふやけたり、むけたりします。放置しておくと細菌感染をおこし重症化することがあります。特に爪水虫は難治です。塗り薬や内服薬で加療します。当院では、薬の効能を上げるため専用のグラインダーで肥厚した爪を整えます。また、爪水虫には積極的に内服加療を行っています。(適応にならない方もいます。)
掌蹠膿疱症は、長期にわたって手足に小さな膿の出現を繰り返す病気です。時に関節痛を伴います。タバコや細菌、金属アレルギーなどとの関連が推測されています。塗り薬や内服薬、光線療法で治療します。必要な場合は、生物学的製剤の適応を含め、基幹病院へ紹介しています。

多汗症

多汗症とは頭部・顔面や手足や脇の汗が通常の人よりずっと多く、そのために生活に支障をきたしている状態です。「紙に何かを書いていると、紙が湿ってよれよれになってしまう」「足から汗がいっぱい出て、嫌な臭いがする」「脇の汗が多く、冬でも衣服がぬれてしまう」こうした多汗症には、重症度に対応した段階的な治療を提案します。

〇塩化アルミニウム外用
塩化アルミニウムは皮膚の角層と結合することで皮膚の表面にふたを作り、汗腺の穴を塞ぐことにより汗の量を減らす治療です。どの場所にも塗ることができるため、手足、脇のいずれにも使用が可能です。ただし刺激性があるため、傷があるところなどへの使用は控え、またヒリヒリするようなら使用を中止します。
当院では、汗の部位や重症度にあわせて各種の外用薬を準備しています。

〇内服抗コリン薬
プロバンサインは神経系に作用する薬(保険適応)で、アセチルコリンという物質の動きを抑制して、発汗を抑制します。(抗コリン作用)。即効性が特長で、服用後1時間ほどで効果が現れ、約5時間効果が継続します。また、内服薬ですから全身に効果が出て、一度の服用で全身の汗を抑えることが可能です。服用に際して、閉塞性緑内障や前立腺肥大といった疾患をお持ちの方には服用いただけない場合があります。

〇外用の抗コリン薬
内服の抗コリン薬に伴う全身性の副作用(口渇や目の渇きなど)を軽減した、外用の抗コリン薬が、原発性腋窩多汗症に保険適用となりました。症状に応じた処方を行っていきます。

〇ボトックス注射
ボトックスとは、ボツリヌス毒素(ボツリヌス菌が産生する毒素)から抽出した成分を用いる治療です。ボツリヌス毒素はその名の通り、毒性の高いものなのですが、ボトックスはそこから毒性を除去しているので、安全に使用できます。皮下にこのボトックスを注射して、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックすることによって発汗を抑えます。非常によく効く治療法なのですが、ボトックスの効果はずっと持続するわけではなく、効果の持続期間が最大で6ヶ月くらいなので、継続的な治療が必要です。保険が効く場合、自費診療の場合があります。ボトックス注射は、全ての人に対して保険が適用されるわけではありません。保険が利くかどうかは医師が判断し、「特別な原因が無いのに日常生活に支障が生じるほど多くのわき汗が出る病気」であると診断された場合に限られます。
 保険適用となる脇汗を正式には「重度の原発性腋窩多汗症」と言います。これは、脇の下に必要以上の発汗が生じる疾患で、脇から腕へと汗が垂れたり、服の両脇にシミができたりするほどの汗をかく状態のことです。ボトックス注射が保険適用となった背景には、ひどい脇汗によってQOL(生活の質)が低下してしまうのを防ぐ目的があります。1回の注射で効果は通常4~9ヶ月間持続するため、年に1~2回の治療で汗を抑えることができます(※個人差があります)。
 具体的には、以下の項目が当てはまる場合に保険適用になります。当てはまると思われた方はご相談ください。
①原因不明の過剰な脇汗が半年以上前から続いている
②さらに以下6項目のうち2項目以上に当てはまる
③両脇で同じくらい多くの汗をかく
④脇の汗が多いため、日常生活に支障が生じている
⑤週に1回以上、脇に多くの汗をかくことがある
⑥このような症状は25歳より以前に始まった
⑦同じような症状をもつ家族や親戚がいる
⑧睡眠中は、脇汗がひどくない

スギ花粉症やダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法

調整されたスギ花粉エキスやダニ抗原エキスを少しずつ内服投与し、過敏性(アレルギー)を弱めていく治療法です。
ダニ抗原に対してはいつでも治療開始可能ですが、スギ抗原に関してはスギ花粉が飛散していない時期(6月~11月末ころ)にのみ治療開始可能です。いずれも数年は投与を継続する必要があります。

<当院での舌下免疫療法の流れについて>
当院で実際に舌下免疫療法を受けていただく際の具体的な受診の流れについてご説明いたします。

①1回目受診:アレルギー症状がスギ花粉症であることを確認いたします。まずは普通にご来院いただき、受付で舌下免疫療法をご希望される旨をお申し出ください。当日は問診と診察、アレルギー診断の血液検査をいたします。結果は1週間後に出ます。過去に同様の検査を受けたことのある方でも、確認のために必ず行います。次回の受診の予約をお取りいたします。

②2回目受診:予約をお取りになった日時にご来院ください。スギ花粉症であることが確認できましたら、実際の治療について詳しくご説明し、ご理解いただけたことを確認した上で、治療の同意書にご署名いただきます。治療薬「シダキュア」の処方箋をお渡しいたしますので、近隣の薬局でお受け取りになられたら、再度クリニックへお戻りください。診察室で実際に薬剤を服用したあと、副作用が出ないか30分ほどクリニックの待合室で経過を観察いたします。特に目立った副作用が出なければご帰宅いただき、最初の1週間はスギ花粉濃度の薄いシダキュアの錠剤を服用いただきます。

③3回目受診以降:開始して1週間、特に重篤な副作用がなければ、3回目受診では濃度の濃いシダキュアの錠剤を2週間分お出しします。2週間後までに副作用がなければ、その後は1か月おき受診していただき、予定通り服用できているか、副作用の出現がないかを確認した上で、次の1か月分のお薬を処方いたします。

乾癬/白斑

尋常性乾癬は白い垢が付着する赤い発疹が、体の様々なところに生じる疾患です。肥満や喫煙といった生活習慣と関連しているとも言われています。軽症の場合は塗り薬やエキシマライト光線療法を行います。難治の際はアプレミラストやデュークラバシチニブ等の内服薬や、生物学的製剤を投与する場合があり、基幹病院へ紹介いたします。
尋常性白斑は、皮膚の色素を作る細胞が傷害され、部分的に肌が白く抜けて見える病気です。当院では塗り薬やエキシマライト光線療法で加療します。

皮膚の傷、潰瘍、熱傷(やけど)

皮膚のキズややけど、褥瘡(床ずれ)の治療も致します。治りにくい傷の場合、糖尿病や感染症など、思わぬ原因が潜んでいることもあります。

口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、帯状疱疹、水痘、蜂窩織炎、伝染性膿痂疹(とびひ)

ヘルペスウイルス感染症に対しては、抗ウイルス薬の投与を行います。当院では、迅速HSV/VZV抗原検出検査を行い5~10分以内に結果が出ます。
伝染性膿痂疹(とびひ)
は皮膚を溶かす細菌によって皮膚に傷やカサブタが生じます。抗生物質の軟膏や内服によって加療します。病変部をよく水で流し、細菌を物理的に除去してあげることも大事です。重症化すると、SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)といって発熱を伴って全身にキズが拡大する可能性があるため、しっかりと加療する必要があります。当院では、可能な限り細菌培養検査を行い、適切な抗菌薬投与に努めています。
蜂窩織炎では血液検査、一般細菌培養検査を行い、重症の場合は点滴加療が必要となるため、基幹病院へ紹介いたします。

伝染性軟属腫(水いぼ)・尋常性疣贅(いぼ)

いぼは2種類有り、水いぼと普通のいぼに分かれます。どちらもウイルスの感染によって生じます。友達や兄弟などにうつることもありますので、早期に治療する必要があります。水イボは物理的に摘出したり、貼り薬や塗り薬(ワイキャンスという保険適応の新薬です)も取り扱っています。
いぼは液体窒素凍結療法(スプレーと綿棒いずれも可能)やヨクイニン内服を行います。
水いぼの塗り薬(新薬)です

ほくろ・皮膚腫瘍・皮膚癌

当院では、外科手術や液体窒素、電気メスや炭酸ガスレーザーなどによる腫瘍切除も行います。皮膚癌に対しては、基幹病院への紹介や、当院で皮膚生検(腫瘍の一部を切除し、精密検査を行います)も行います。

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